医科歯科連携の統合医療において

杉本 叡

歯科が現在行っている歯科医療の内容に問題が生じています。これは政府が決定した内容が良いという厚生労働省、文部科学省がもう少し考えていただきたいのです。
生き物には自然治癒力があります。我々歯科医師は患者の悪いところを見つけそれを取り除くのが歯科医師の役目と考えています。ではその原因とは何でしょうか。
①咬合(咬み合わせ) ②顎関節 ③顎の動き ④歯周病 ⑤歯(歯牙)の感染 ⑥歯根の感染及び化学物質による汚染 ⑦補綴物の材質(補綴物とは冠、ブリッジ、局部床義歯、全部義歯) ⑧歯ぎしり、矯正装置、咬合安定装置、
以上の事が正しく治療されていれば問題は生じません。

①咬合(咬み合わせ)
 乳歯列、混合歯列(乳歯と永久歯が混在している状態)永久歯列までの間、
 咬合は変化します。この咬合が正常であるかを診断する必要があります。
 そして正常であるのか異常であるのかを診断する必要がありますります。
 そして異常を見つけ、原因を除去すれば治癒します。
 天然の歯は咬む事により摩耗します。このまま摩耗が進みますと咬合が低く
 なってしまいます。そこで自然の力はすごいのです。なぜなのかというと、
 摩耗しますと下の歯は上にのびます。そして上の歯は下にのびます。
 この様な自然の力が咬合の安定を保っています。そして顎の位置や精神的な
 安定を保ってもっているのです。永久歯列においては歯周組織の安定には咬合時、歯周組織への圧力の調整が必要となります。どの様に診断するのか又
 異常を見つけそしてどの様に調整するかというと歯ぎしり時、硬いものを咬む時、普通の物を咬む時、柔らかい物を咬む時それぞれ歯周組織に圧力が
 加わります。この時、歯周組織(歯槽骨、歯槽膜、セメント質)に加わる
圧力が血圧の幅の中に入っていれば安定します。しかし咬み癖、摩耗、
補綴物等により不安定になり歯周組織が壊れます。
これも診断し異常を見つけ、それを調整する事により咬合が安定し全身に
影響が出て来ません。
②顎関節
 乳歯列に問題がないケースでは永久歯列の完成時には顎関節に問題は生じません。しかし歯列矯正において犬歯のすぐ後の歯牙第一小臼歯の抜歯を行い歯列              1
 を並べるケース(30年前までで、現在ではおこなっていません)に於いては
 顎関節に問題が生じています。この原因は何でしょうか。第一小臼歯の歯牙の咬合面(咬み合わせの形)がその人、個人の顎関節が出来上がるのです。
 この形のない咬み合わせのケースは正しく顎関節が形成できません。どの様に咬むのかがわからない状態で顎関節が完成するのです。その結果顎関節症になります。これの治療法はかなり難しいです。現在の歯科矯正ではあまり
 行っていません。永久歯列完成時に何も問題が生じていませんでしたが、虫歯の治療で人工物を装着し、装着物が正しい咬合(咬み合わせ)になっているかの診断が出来ていないのが現状です。
 これを診断することが出来、原因を除去する事で全身の病気の原因の一つが除去できます。顎関節症と言われるケースではこの約90%は顎関節に附属する筋肉、靭帯が顎の動きが正しく動いてないためにストレスを起こして筋肉、
 靭帯が訴えているのです。此れはペインクリニックで行っている治療法と同じ様ですので治ります。後の10%は本当の顎関節の病気のケースです。
 此れは口腔外科で治療する事です。これらの顎関節の異常によりストレスを起こし病気の原因となっています。これも歯科医療の役目です。
③顎の動き
 乳歯列が正しく咬合しているケースでは顎の動きは正常です。又永久歯列においても同様です。正しく咬合していない乳歯列、永久歯列のケースでは顎の動きに異常を生じます。これを診断し原因を発見し、そしてその原因を除去するのです。この咬合の異常をそのままにしておくと、患者にとっては
 ストレスを生じ、ストレスが原因で様々な病気が発生します。咬合調整と歯並びを正しくすれば原因が除去され、顎の動きが正しくなります。
④歯周病
 乳歯列が完成し、永久歯列が完成し、正しい咬合が出来上がる。この時には
 歯周病は発生していません。では歯周病の原因は何でしょうか。現在解明されている一つは口腔内の微生物です。この微生物が合成してバイオフィルム
 というものに変化し、これが原因となっています。このバイオフィルムを作れなくする事により歯周病になりません。
 この治療は口腔内微生物を少なくする治療です。イソジン液を薄め一口
 口腔内で五分間液体を歯間部、歯頸部にいきわたらせます。これで約80%の
 微生物が死滅します。残りの20%でバイオフィルムが歯周病の原因となりますが、人間には免疫があります。治す力が強いですので歯周病にはなりません。又一つの原因は咬合にあります。この事は咬合のところで説明しています。微生物咬合の原因を除去する事により治ります。
                 2
普通ちょっとした怪我が治るのと同じです。
⑤歯の感染、化学物質による汚染
歯の感染は口腔内の細菌です。これは嫌気性菌と変性嫌気性菌が殆どです。
これが、う蝕と歯周病の原因となっています。この細菌を除去すれば良いのです。これは歯周病のところで説明しています。歯の充填物、冠のあるケースではその境目に化学物質、細菌が存在します。この事により感染、汚染があり、
病気の原因となっているケースがあります。これも同じく原因の除去です。
⑥歯根の感染と汚染(化学物質も含む)
 歯の根っこは根っこの外側と内側があります。有髄歯では根っこの外側と、
 内側ともに生活していて免疫があります。しかし歯髄が病気になり無髄歯になりますと免疫が無くなり感染します。これも細菌のところで書いたとおりです。根っこの内側を歯根管といいます。この中に細菌が存在しますと、
 歯根管内は腐敗を生じメチルメルカプタンが生じます。これが歯根管の中で象牙細管(根っこの象牙質はこの細管の集合体です)を通過してセメント質、
 歯根膜、歯槽骨を通過して全身にめぐって行き、様々なところで病気の原因となっています。又根っこの外側にも同じ事が生じます。この感染が大きくなると歯槽骨の中にも感染が生じます。現在の歯根の感染は除去する方法があります。歯根の汚染はきれいにする事が可能です。ただ我々の業界では、
 マイクロスコープという道具を用いて行っていますがこのスコープは虫眼鏡くらいの倍率ですので細菌や汚染見えません。ではどのように診断し除去できたかを決定する方法がないのが現状です。ただ一つ方法があるのが波動による想定です。これはかなり有効です。患者さんがこの感染と汚染がなくなると口腔内だけではなくて全身の感染、汚染していた所が治っている様です。又、CTにおいても同じ事です。(患者さんの感想です)
⑦補綴物の材質(補綴物とは冠、ブリッジ、局部床義歯、全部床義歯)
 現在使用されている冠、ブリッジについては金属性のものと、金属でないものとにわけられています。金属性のものについては咬むことにより摩耗します。この摩耗したものが全身に金属イオンとして入っていきます。これが全身の所で存在して様々な事が生じます。又この口腔内、全身で世の中にある電磁波を受け様々なことが生じます。そして電磁波を受けない材料として現在あるものは陶器、ジルコニア、プラスティク等があります。しかしこれらの物の材料については陶器、ジルコニアは硬すぎてプラスティックは軟らか過ぎます。そして約15年前に出来たのが、陶器とプラスティックを混ぜる事により歯と同じ硬さの材料があります。これを使用する事により全身への影響はなくなります。ただし欠点として陶器と同様に欠けるという事がありま
                 3
すから咬合調整が必要となります。局部床義歯と全部床義歯
 についてはプラスティックが主体です。このプラスティックにはホルモン
 攪乱物質(ビスフェノールA)が含まれています。
しかし1つのメーカーではこれが入っていないプラスティックがあります。
これを使用する事により全身に問題を生じる事がない。
⑧歯ぎしり、矯正に使用する装置、咬合を安定に使用する装置
 歯ぎしり、矯正、咬合を安定に使用する装置はストレスを解消する事が出来なくなる事により精神的に不安定になりノイローゼを引き起こします。又
矯正でワイヤーを使用して歯並びを変化する事によりストレスを生じます。
 それと金属を使用するので電磁波を取り込みます。矯正を行うのは、永久歯列が完成するまでの成長途中の人にする事です(小児育成という矯正です)
 永久歯列が完成後に歯並びを変化しても歯槽骨、歯は元の位置に戻ります。
 これを防止するために保定装置がありますが、これもストレスを生じます。
 生物はストレスを生じると病気へと進行します。
以上八つの事が複数重なり合って種々の病気の原因となっていますのでこの
事を正しく診断し原因を見つけ、それを除去すると患者は治るように反応します。人間の力は凄いです。